隕石の鑑定室

Helio☾entric Astrology

【ヘリオ鑑定例】小泉純一郎氏

今回は政界から、元総理大臣で、強い存在感で人々の記憶に残る政治家、小泉純一郎氏のヘリオセントリックチャートを読んでみました。

 

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全体の星の分布として、個人の主張を貫くエリアに集中していて、他者との融和の中で物事を判断していくエリアにはほとんど星がありません。
良くも悪くも、他者の声にはあまり耳を貸さず、自分で考え、自分で決定し、その責任は自分で負うという潔い覚悟を持っている人と言えるでしょう。

 

まず、土星と天王星が重なっているのが最も強いアスペクトです。
土星は組織、システムなどを安定して維持していくエネルギーを示し、天王星は今まであるものを上書きするようにして刷新し、新しい風を取り入れ、より良い可能性をもたせようとします。
維持と革新、逆の方向を向いたものが同居するので、そこに激しい渦が生まれ、ボルテックスとして強いエネルギーを内包するようになります。

この二つの惑星は外惑星なので、動きが遅く、同時期に生まれた人はみんな同じアスペクトを持つことになるのですが、小泉元首相の場合は、個人的な惑星のアスペクトに強力なものがなく、圧倒的に目立つアスペクトが、すべて外惑星のアスペクトなのです。

それが示すのは、まさに「時代の寵児」であり、その時代の感性を大きく担っているということではないかと思われます。
個人的な体験のなかで様々な成長を目指す人生もあり、また、大きく社会構造に関わって、個人よりも全体に関わることを優先して生きる人生もあります。この場合、後者を示すことになるのだと思います。

 

土星と天王星の合は、一言で言って「改革者」であることを示すと言えます。
融通が利かず、頑固で、なかなか環境に適応しにくいところがあります。あらゆることに妥協しない、厳密さを求める傾向です。

古いシステム自体を、新しいものに置き換えていきたいエネルギーが強く、妥協していては古いものに流されて、何も変えることはできないと、本能的に良く分かっているのです。

逆に、次々と新しいものに飛びついて、ふらふらと追従するばかりでも、それを安定して維持していくことはできません。どちらの方向からも、厳密さ、堅牢さが必要となります。

 

◆土星のサビアンシンボル

牡牛座27度 「ビーズを売るインディアンの女」

伝統や、文化的な背景に、強い誇りを持つ人です。自分の置かれた地域や国、民族や歴史に深い根を持ち、世相に流されません。自然や伝統に根付いた生活を大切に生き、それを社会的経済的発展につなげていこうとします。
自分の大切にしている価値観を他人にもアピールし、やや押し付けるような傾向が見られることもあります。それだけ自分の価値観に自信を持っており、良いプレゼンテーション能力を持つということでもあります。

 

◆天王星のサビアン

牡牛座29度 「テーブルの前の二人の靴職人」

靴職人が、靴をどのように再生させるかを迷い、二人の意見が割れている様を示します。
可能性を選択する際の迷いを暗示します。価値を値踏みし、選択を迫られ、古いものと新しいもの、修理するか完全に新しくするか、そのような幾つかの選択肢の間で決断を迫られるような立場に置かれやすいです。運命の選択をゆだねられ、責任が重くのしかかります。
多角的に物事を捉えることができ、古いものの新たな使い方を生み出したり、何かを作り変えて新たな命を吹き込むことに意識を傾けます。

この二つの星は「改革・ネットワーク」を表すエリアにあり、「縦」の繋がりやトップダウンで有無を言わさず進めていくような方向ではなく、束縛のない「横」の繋がり、志を同じくする仲間と手を携えて、自由に未来を変えていこうという志向性を示しています。

 

土星と天王星の合が、海王星と、良い循環を生む最良のアスペクトを取ります。
この改革のエネルギーは、海王星が示す、理想、美しいビジョン、イマジネーションに支えられています。現実に固着した古いものに決して囚われることなく、古く凝り固まった汚れを引き剥がすようにして、イメージの中で思い描いた素晴らしい理想を現実にしようと働きかけます。 
夢見がちなところがあり、それを素直に追いかけ、現実にできると信じる純粋さをいつまでも持ち続けることができます。

海王星も外惑星なので、この要素も時代を象徴したものですが、個人的な要素よりも強く現れているので、仕組みそのものを理想的に改革していくということが、人生の最重要課題なのだ、ということが言えます。
夢見た世界観を、しっかりと構造的に創り出すエネルギー、まさに構造改革のエネルギーが溢れています。それは、献身的で、自分の命さえ捧げるといった情熱的なものにもなりえます。

海王星は「知性・コミュニケーション」を指すエリアにあり、人々と言葉で応酬し合う場だとか、仕事の現場で特に強く、インスピレーションや直感の能力が役立つだろうということを暗示します。

 

◆海王星のサビアン

乙女座29度 「読んでいる書類から秘密の知恵を得る男」

言葉や形、表面に現れているものからは読み取れない、深いところにある真実を、霊感やイメージをうまく扱って捉えることに長けています。物事の行間を読む力があり、勘が優れていて、裏側に隠れている真実を直感的に導き出すことができる人です。

 

重なり合う土星と天王星が、地球と、宿命的な角度で繋がります。マイナーなアスペクトではありますが、重要なものに見えます。魂のままに生き始めると花開く能力を暗示します。
この社会を改革しようというエネルギーを、自分の人生の中心課題として認識すること、それこそが生きがいであり、生きる目的だと気づくことが、魂の望みなのです。
その魂の声を無意識的にでも聞き取り、それを生き始めると、急激に人生が開けていく、という可能性を示しています。

また土星と地球の関係が花開くと、自分自身をコントロールし、律していく力が開花することにもなります。ストイックな努力ができる人であり、自分に厳しく、置かれた場所に最適な自分のあり方を知り、そこから逸脱しないように、上手く自己管理することができるようになります。

 

◆地球のサビアン

蟹座18度 「ヒヨコのために土をほじくる雌鳥」

母鳥が子供のために最も適した場所を探す様を表します。
自分の可能性のために、最も自分に合った活動を探します。それが心から好きかどうか、自分にとって好ましく、自分にふさわしい場かどうかをとても重要視します。好きなものにはとことん入れ込みますが、基本的にとても堅実な生活を意図しています。

 

 

水星と土星は、ギクシャクした関係にあります。
水星の示す、知識を得ることや、コミュニケーションの能力などに、なんとなく苦手意識がある可能性があります。
一つのことを奥深く学ぶことに苦手意識があったり、左脳的に考えを組み立て、理論武装したりすることに、難しさを覚えるかもしれません。

若い頃にはそのような感覚を持っているかもしれませんが、その特性を乗り越え、強い武器としていくことができます。
マイナスに見える特性は、実はそこに意識してたくさんのエネルギーを注ぎ、克服しようと努力することによって、むしろ人生を支える柱となります。そのために、あえてその特性を持って生まれるのです。

「ワンフレーズ」による政治などは、この特性を洗練させて出来上がった方法論なのではないでしょうか。ごちゃごちゃと理屈っぽく長い説明よりも、一言で人々の心を射抜くような、そんな表現こそ有用だ。そんなふうに結実したのではないかと想像できます。

 

◆水星のサビアン

水瓶座25度 「右の羽がより完璧に形成されている蝶」

蝶とは魂の象徴であり、右の羽は左脳につながっています。
理知的に心理を分析、構造化し、意識的に扱うことができます。感情を理性で押さえつけるのではなく、双方のバランスを取り、人間性の全体を手に入れる人です。
魂、精神、肉体を包括的に統制する、真の知性を目指します。人格者で、感情に流されません。そのため豊かな感情を持たない冷徹な人物に見えることがありますが、決してそんなことはありません。

また、この水星は「深い絆・受け継ぐもの」を示すエリアにあり、他の惑星と離れて孤立しているので、影響は強めに現れます。この知性的な能力は、遺伝的、家系的に受け継いだものを基盤として発揮されることを暗示しています。受け継いだものを利用して、知的な分野で頭角をあらわすというようにも読めます。

 

木星と冥王星の関係も、人生を支える小さな柱となります。
木星は社会性を示し、社会に大きなナタを振りかざすような、ぶっ壊して再生するというような力を働かせるという一面がありそうです。このエネルギーは、下手をすると少しやりすぎになったり、行き過ぎたり、繊細なコントロールを必要とします。
まさに「自民党をぶっ壊す!」といったところで、この辺のエネルギーが現れていたかもしれません。

 

◆木星のサビアン

双子座20度 「カフェテリア」

カフェテリアには多くの人がやってきてすぐに去っていく様子を示します。
多様な知識を、浅く広く持つ傾向です。一つの分野、一つの考えに固執することなく、幅広く、平均化された知性、判断力を持ちます。公正中立なスタンスで偏りなく、あらゆる情報を受け入れますが、反面で、全てにおいて表面的な浅い情報しか集まらない傾向と言えなくもありません。浅く広く、あらゆる知識を統括するような立場に適性があります。

 

◆冥王星のサビアン

獅子座5度 「絶壁の端にある岩の塊」

断崖絶壁の前に立ち、絶望する様を示します。
とても打たれ強く、諦めず突破していこうとする人です。まさに絶壁から落ちるような体験を通じて、そこから多くを学び、大切なことに気づきます。
挫折によって、物事の本質、真意を汲み取る能力を磨いていくことになります。この人にとって、挫折は特に貴重な経験と言えます。

 

地球と海王星も良い関係です。インスピレーションを受け取る力、見えないものを感じ取るような直感的な能力に優れています。その力で自分の人生を豊かにする、自由奔放な才能に恵まれています。

地球と木星の関係は、人生を裏方で支えるような働きをします。健全な社会性を持ち、素直に自らを世界に発信して広げていく、ポジティブで楽観的なおおらかさがあり、つねに前向きでいられます。

火星と冥王星も、小回りの利く、日常的に役立つような角度です。失敗してもめげない、落ち込まない、何度でもチャレンジを繰り返す粘り強い力を与えられています。
普通ならめげて当然のような状況でも、宇宙からの見えないガイダンスが常にあり、導かれるようにすんなりと復活することができるでしょう。

 

◆火星のサビアン

双子座8度 「産業ストライキ」

不当な現状を打破しようと団結し、まさにストライキを起こすように戦う人です。下克上を起こすように、理不尽な上下関係や社会慣習をひっくり返そうと、不満を爆発させます。古くて膠着した序列やルールなどを打破し、新しい価値を模索し、熱い思いを胸に走り続けます。

 

金星と冥王星も小さなアスペクトを取ります。
感受性も豊かです。心の柔らかな内部や、愛情関係などに、冥王星の示す「破壊と再生」の力が、穏やかながら働くかもしれません。人生の中で、大切な何かを失って、傷つくような体験があるのかもしれません。
それは人生を左右するほど大きな影響をもたらすものではないですが、そこで大切なことを学び、ほろ苦い思いとともに、心を強くしていく、そんな体験となるのだと思われます。

 

◆金星のサビアン

蟹座3度 「毛深い鹿に先導される毛皮に包まれた男」

困難に見舞われた時、直感に従うことのできる人です。個人の力の限界を知り、流れに任せた方が良い時があるということを知っています。状況のままに流された方が、無闇に解決しようと動くことより、結果として良い解決法が得られるのです。
自分の力でなんでもできるという驕りを持たず、ここぞという時に、思考よりも直感の声を聞く傾向があります。

 

感性の豊かさと、鋭い直感力が根底にあり、水星のサビアンにあるような「魂、精神、肉体を包括的に統制する真の知性」を初めて手に入れられるのだと感じます。
知識だけでは、得られないものがあることを、誰よりもよく知ることになるのだと思います。

知性がものを言う世界にあっては、青い情熱や、純粋さ、柔らかな感性やインスピレーションはないがしろにされがちですが、全ての側面を統合するためには、それらをないがしろにしてはいけないのだということを体現し、世界に生き様として見せていく。そんな魂の方向性を強く感じました。