地球星座は「蟹座」
太陽星座(一般的な星占いでのあなたの星座)が「山羊座」の方は、ヘリオセントリックでの地球星座は、180度反対の「蟹座」となります。
地球星座が蟹座であることとは、何を意味しているのでしょうか。
社会性という鎧
まずはじめに、太陽星座である「山羊座」の性質を考えてみましょう。
太陽星座「山羊座」は、社会性を重視する星座です。制服を着た人、スーツを着た人のイメージです。
自分の個性や生身の感情よりも、社会的に何を必要とされているか、自分の立ち位置はどこなのかを、まず第一に意識する傾向があります。
制服やスーツはある意味で、戦闘服です。その中に入っている人が誰かはどうでもよく、その役割だけにフォーカスされます。
それは逆の視点で見れば、戦闘服を身にまとい、盾でガードしていれば、その中身は外から見られることがなく、傷つく心配もないということです。
中の隠された生身の肉体、揺れ動く繊細な心は隠されたまま、安全なところにあると同時に、自分さえのその存在に意識が及ばず、知らず知らずのうちにないがしろにしてしまうという状態になりやすいのです。
山羊座のエネルギーは、大切な中身を守る外殻であり、体の内部を守る皮膚であり、城壁のようなものです。
守るための制限であり、節度であったはずなのですが、そもそも何を守っていたのかを見失ってしまいがちです。
社会的な成功を強く志向し、外側からの評価や、社会的な価値観に完全に自己を同化させてしまえば、どんどん内部が希薄になり、そこに宿るはずの魂は居場所をなくし、さまよい出してしまうことになるかもしれません。
守っていたはずのものを殺してしまう、それでは全くの本末転倒です。
お父さんが会社でがむしゃらに働き、家族のために身をすり減らしたけれど、あまりに家族のことを顧みずにいたら、家族から嫌われ、疎ましがられるようになってしまった……そんな比喩で表すこともできるかもしれません。
お父さんに悪気はなく、本当に家族の為を第一に考え、家族を心から愛していたのに、なぜこんな事になってしまったのだろうかと頭を抱えてしまいます。
内側の感情で生きる
その限界を超えていくために、正反対の性質である、地球星座「蟹座」の性質を思い出すことを、宇宙は教えてくれています。
それはもちろんあなたにもともと備わった性質なのですが、地球上の価値観に染まるうちに、見失ってしまったものと言えます。
地球というせまい檻に閉じ込められ、太陽を見上げる視線でしか世界を捉えられなかったからです。
本当のあなたは、太陽から地球を見下ろしているまなざしです。その方向性を、正反対の蟹座のあり方が、示してくれているということです。
蟹座は、共感の星座です。心を分かち合い、深く感情を共有することを求めます。
家族など、身近なつながりを何より重視し、その小さなコミュニティの中で、相手に奉仕し、自らを捧げることに喜びを感じるような傾向があります。
お父さんは、会社で働くことだけが家族を守ることと勘違いしてしまいました。それはとても山羊座さんらしい勘違いです。
お金を稼ぎ、外界の荒波から守ってやる必要がある、そのための社会的立場が必要である……そんな思考回路と言えるでしょう。
一方で、家族が求めていたのは、蟹座的な温かい共感であり、たくさんの会話とコミュニケーションであり、もっと関心を向けてほしいということでした。
山羊座さんが懸命になればなるほど、このような内的な感情の儚い部分を置いてけぼりにしがちになりますが、それこそがとても大切な鍵となるのです。
身近な人間関係だけではなく、自分自身の心の中でも同じことが起きています。
あなたの本音は、外側の仮面によって押し殺され、意見に耳を傾けてもらうことがありませんでした。
自分の立場ではこうするべきだ、こう動くべきだという建前が、とても強固になってしまっていました。それはバランスに欠けた状態であり、双方を大切にしてバランスをとる必要があったのです。
そのためには、一度建前の部分を脇において、本音としっかり向かい合ってみることが大切です。
ありのままの、子供っぽい、わがままな感情を抑圧せず、すべて棚卸しするように並べてみて、批判せずに一つ一つを観察してみてください。
心の中に眠っている、小さな子供である自分の声を聞き、抑圧されて捻じ曲げられてしまった感情の記憶を掘り起こしてみることが必要です。そこに愛に満ちた光を当ててあげてください。
心の中の衝動や、温かく満ちてくるような感情が、あなたの人生を牽引するものです。
論理的な思考は、それを補佐するだけのものだということをよく考えてみてください。内臓が主か、外殻が主か、はっきりさせることです。それは疑うべくもないでしょう。
蟹座は聴覚的な部分が発達しています。聴覚と言っても、実際に音を聞き分けるというよりも、波動のような目に見えないエネルギーをキャッチする力という方がいいかもしれません。
心が温かくなること、感情が高まることをサインに生きるようになってくると、ますます目に見えないエネルギーへの感性が高まるでしょう。
その内側の声が、人生を明るい方向へと導いてくれるようになるはずです。
それらが、あなたが魂の全体像に還っていくために、かならず必要となるミッシングピースであり、今まで見えていなかった盲点となっていたのです。
その盲点もしっかりと視野に入れてあげたとき、私たちは魂の真の望みを生き始めます。