隕石の鑑定室

Helio☾entric Astrology

【ヘリオ鑑定例】中森明菜さん

今回は、昭和の歌姫として再評価の機運高まる中森明菜さんのヘリオセントリックチャートを見てみました。

その唯一無二の存在感と表現力は、ホロスコープにどう現れているのか、私もとても興味深く感じます。私自身と同じ、金星と冥王星の合というアスペクトを持っていらっしゃるので、どこか共感する部分を感じるのかもしれません。

 

まずベースとして、土星と天王星・冥王星の真っ向からの対立があり、それに感性の星である金星がビタリと寄り添うように参加しています。

その年代に共通する流れとして、今までの常識だったもの、決して崩れることのないであろうと思われていた社会的な基盤のエネルギーが揺るがされる、大きな地殻変動のエネルギーがあります。

大きな社会的流れとなって、有無を言わせずそこに生きるすべての人を押し流していく革命的なエネルギーが、個人的な人生においても、根底に強く流れ続けていると言えます。

そのドラスティックな変容のエネルギーは、金星の感性を経由して直接的に表現されますから、その表現力には奥底からのマグマが一気に噴出するような、力強くて圧倒的な存在感が漂うことと思います。ほんわかとしたようなものではなく、極限を攻めていくようなヒリヒリした表現になりやすいでしょう。

 

✰金星のサビアンシンボル
乙女座22度 『王家の紋章』

社会において頂点を極めたもののシンボルとして表されています。高いステイタスと精神的な余裕を暗示しています。
がむしゃらなハングリーさとは無縁で、おっとりとした上品な佇まいを持つ傾向です。無理をして頑張らなくても、自分らしく好きに振る舞っていればそれで上手く回っていくのです。身を削って嫌な仕事に取り組んだりする必要は初めからないのです。

またこのサビアンには、ブランドのロゴマークのような意味合いもあり、自分自身のカラーが独特の価値を産むことも暗示しています。自分の持つ個性を際立たせ、打ち出していくことでそれがブランド価値となるというような傾向があります。

 

✰土星のサビアンシンボル
魚座13度 『博物館にある刀』

博物館という言葉に暗示されるように、伝統や集団の代表として特権的な力を与えられることが多いです。

特別な地位や権力を担う環境に置かれ、プレッシャーに潰されそうになることもあるかもしれませんが、大きな充実感も感じるでしょう。カリスマ的な資質を持つと言えます。集団全体の意志のために働く側面が強くあります。

 

金星には天王星のエネルギーが強く流れますから、どこか「異端」と言ったような雰囲気、人とは違うはっきりとした個性が際立ちます。

他者から見るとそのように際立った部分が輝くのですが、自分の中から見る自分像は、とても純粋で繊細な、壊れやすく儚いものに映るかもしれません。

恋愛などにおいては、文字通り自分のすべてを捧げ、とことんまで行く傾向がありそうです。世間ではよく見られる恋の駆け引きだとか、手練手管、打算的な考えなどはまったく入り込む余地がないほど、本質的にものすごくピュアなのだろうと思います。

そして、恋愛至上主義といった傾向を持つ可能性があります。全身全霊を傾けて一人の人を愛することが、何よりの生きがいで、何よりの自己表現となるのかもしれません。

 

やや誤差は大きいながら、金星と土星のハードアスペクトを持つことから、恋愛において試練と感じられるような体験をしがちかもしれません。

傷つくような体験があるかもしれませんし、あるいは自分で自分に制限をかけがちで深い恋愛関係に踏み込んでいけなかったり、簡単に成就しなかったりといった、何らかの形での苦労があるのではないかと思います。

それによって自分の心を深く内省することになり、魂の成長が促されるという基本的な青写真をお持ちのようです。

愛がすべてという価値観の中で、それを失ったり切り捨てられたりすることは大変な痛みを伴うこともあるでしょう。その涙の海から不死鳥のように蘇るパワーを秘めているように感じられます。

冥王星がほぼすべての星と強めのアスペクトを形成していて、あらゆる局面で、どこか神がかっているというような、また何かに強く導かれていると感じられるような、宿命的な展開を帯びやすいと思います。実際、その生き方を世界に提示することで直接、世界に貢献していくことができる、そんな人生なのだろうと感じます。

 

✰天王星のサビアンシンボル
乙女座15度 『装飾されたハンカチーフ』

美しく装飾されたハンカチは、純粋さや繊細さを象徴しています。
世間の汚れに染まりたくないという気持ちがあり、お金や肩書きのために、自分のプライドを売り渡したり、身を粉にして働いたりすることには耐えられないという繊細な心を秘めている人です。
些細なことでも擦り切れてしまう細やかな心を守るために、世間の荒波に揉まれるような在り方を拒む傾向があるでしょう。

 

✰冥王星のサビアンシンボル
乙女座16度 『オランウータン』

野性的で清潔ではないオランウータンに実際に接して、想像していたものとの違いにショックを受けるさまを表します。

純粋で生真面目な人です。自己管理をきっちりとし、計画を立てて計画通りに実行しようと努めます。冷静で客観的に自分を見つめることができるでしょう。
反面、コントロールできない変数的な出来事に際し、動揺してしまったりする可能性があります。他人から見たらたいしたことではないような些細な事柄も、自分にとっては一大事と感じるような繊細さがあります。

 

 

火星と海王星が重なっています。これは芸能の世界で輝いている方にとても良く見られるアスペクトと言えます。理想を体現し、自らがその理想を生きる姿を周囲に見せ、世界に知らしめていくことに強い情熱を覚えます。自分自身が煌く星となるわけです。

理想主義でもあるので、まあいっか…という妥協は一切なく、自分の理想像を作り上げるためにはとことんこだわるであろうと思われます。

 

そこに水星も寄り添っているので、実際に仕事として自分を打ち出していくことに深くコミットしています。表現する能力、努力する能力、コミュニケーション能力などにおいて、自分の持てる力すべてをフル活用して、理想像を彫塑していくことへと傾けます。

これらが金星と良い関係にあり、自分の感性や感情を表現していくこととピタリ合致していくでしょう。感じるままに形にし、それをそのまま外へと打ち出していくという循環が生まれ、それに満足できるだろうと思います。

 

水星他3つの星は蠍座に固まっているので、表現活動において、大まかに言って、大切な人との間の密かで重要な絆…のような事柄がテーマとなりやすく、大多数の人に向けてというよりは、大切な相手だけに向けた発信のように思わせる、秘匿感のようなものが漂い、それが魅力となるのかもしれません。

しかし「コミュニティ・博愛」のエリアにあるので、活動自体が自分自身のためというのでは全くなく、むしろ自分の利益には無頓着で、もっと大きな全体の利益にかなうものでありたいという意識が基盤にあります。

どんな成果がもたらされるかということではなく、どのように世界が変化し、より良いものになったかという点に意識はフォーカスしているのだと思います。自分は全体の中の小さなひとつのコマであるという認識がどこかにあり、全体に貢献するためになら、やや自己犠牲的な在り方さえ許容してしまうのかもしれません。

 

✰水星のサビアンシンボル
蠍座14度 『仕事をしている電話作業員』

電話回線を繋げたり切ったり、人とのネットワークを整理することを示したサビアンです。
人との関係を広げることにあまり関心を持たない人です。誰とでも繋がっていきたいのではなく、本当に信頼できる相手とだけ繋がっていたいという傾向があります。

自分の方向性と合致する相手だけを大切にするという、合理的でサバサバした側面もあります。
交友関係は狭く、友達と呼べる人も少ないでしょうが、本人はそれで寂しいわけではなく、むしろ少数精鋭の人間関係を磨き上げていきたいという願いを持っています。

 

✰火星のサビアンシンボル
蠍座18度 『豪華な秋色の森』

灼熱の太陽が照らす夏の後にやってくる実りの秋を示します。自然のサイクルをイメージさせます。

並々ならぬ集中力を傾け、一つのことに熱く集中し、人生を捧げる人です。日常的な幸せを犠牲にしても、責任ある仕事や信念に没頭します。人事を尽くして天命を待ち、その後にやってくる実りの秋に、豊かな達成感を得ることができます。緩急の落差が激しく、メリハリのある人生を送る傾向と言えます。

 

✰海王星のサビアンシンボル
蠍座20度 『2つの重いカーテンを横に引っ張っている女』

確固とした自分を持ち、周囲に流されない人です。オンとオフはきっちりと切り替え、コントロールします。
自分の内面の深い部分は、軽々しく人にしゃべったりしません。カーテンの奥の世界は、重々しく閉ざされており、簡単には見せないのです。

 

木星は「労働・奉仕」のエリアにあり、努力したならしただけの評価が得られ、むしろ心を傾けた以上のより素晴らしい成果へと結実しやすいと言えます。

ただしそこで要求される献身は並外れたものとなるかもしれません。大変多くを求められるけれど、それ以上多くを得るということを暗示しています。

全体のために貢献したいという気持ちがあり、私欲を超えた部分にフォーカスが合っている以上、才能を捧げていくことに深く充ち足りることでしょうし、そこに生きることの歓びをしみじみと味わうこともできるでしょう。

 

この木星は、他の星々とは緊張したアスペクトばかりで、社会性という部分では難しい体験をしやすいかもしれません。人に合わせて、人と同じような行動を取るのは苦手かもしれません。

それは、ガラス細工の繊細な感性を守るために必要なのかもしれませんし、持ち味の革新性を保ち続けるためにも必要でしょう。際立った個性、カリスマ性を持つために、周囲の人に理解されにくく、孤高の存在となりやすいです。

人との交流はうまく行かないことも多く、不愉快に感じたり傷ついたりすることも多いのかもしれませんが、無理に交流を広げず、選りすぐりの少ない人間関係で十分満足できるでしょうし、むしろそのほうが人生を豊かにするということが、サビアンシンボルでも暗示されています。

また、社会に対して全身全霊を傾けて奉仕するような局面もあり、そのために心身がすり減らされてしまうような実感を持ちやすいかもしれません。大勢の人に揉まれて生きていくのにはとにかく向いていません。孤独を感じる反面、その孤独に守られて自分を保つという時期があるだろうと見て取れます。

 

✰木星のサビアンシンボル
双子座13度 『ピアノを目の前にした偉大な音楽家』

生まれつきある種の才能に秀で、強いカリスマ性を帯びた人です。自分の持つ力を出来得る限り存分に発揮して、自らを表現していくことに強い喜びを感じます。

飛びぬけた能力と強い信念があるため、周囲とは摩擦を起こす可能性がありますが、孤立は成功のためのひとつの小道具のようなものであり、大勢に理解される必要はないと理解しているのです。

 

✰地球のサビアンシンボル
山羊座21度 『リレー競走』

積極的に戦っていこうとする姿勢の人です。直ぐに行動に移し、現実化しようとします。評価を受けるために激しく働き続けたりもするでしょう。必死になりすぎて無理をすることもあるかもしれません。

仲間うちでは優れた協調性を発揮し、ライバルと競い合うような場面では負けず嫌いとなりやすいです。社会では有能な人物と評価されることが多いでしょう。

 

地球も、金星・土星の軸を調和的に繋いでいて、繊細な心のもたらす様々な事象が生きる目的の一義的な部分であり、自分とは何かを探していく上でも感受性というものが何より大切な部分を担っていると言えます。

人生に立ちはだかるように感じられる事件や、困難な経験が、実は人生を創造していくために最も大切なチャンスであったということを心の底から感じられたときこそが、大きく飛躍するときなのだと感じられます。

その大転換によって、土星のエネルギーは自分を守ってくれる盾のような、力づよく頼りがいのあるパワーとなって戻ってくるのでしょう。

そして、自分こそが自分を守るための騎士となる……そんなストーリーを生きていくというのが、基本的な魂の設計図なのだろうという感触を持ちました。