隕石の鑑定室

Helio☾entric Astrology

【ヘリオ鑑定例】宇多田ヒカルさん

メータです。ご覧頂きありがとうございます!

自身の体調不良により、長らく放置状態にしてしまったこのサイトですが、ゆるゆると無理せず再開したいと思っています。

そういうわけで、まずは著名人の鑑定例から始めます。今回は、宇多田ヒカルさんのヘリオセントリックチャートを読んでみました。

 


https://freehorocharts.com

 

90度を底辺にした二等辺三角形のアスペクトが2つあるのに、まず目を奪われました。

これはトールハンマーなどとも呼ばれ、過酷な内的葛藤を示すアスペクトだと考えられます。

従来の占星術では注目されることの少ないアスペクトなんですが、私自身、ヘリオのチャートを色々と見させていただくうちに、これはヘリオにおいて結構重要なアスペクトなのではないか?ということを、直感的に感じるようになりました。

60度を底辺にした二等辺三角形は「ヨード」などと呼ばれ、こちらはかなりメジャーなものです。

ヨードも試練や困難を糧にしていくというアスペクトになりますが、こちらは社会の中で自己実現していくこととか、関わる仕事の面で苦労しつつ努力を重ねる必要があったりする、だいぶ外側を向いた葛藤を示しているように思われます。

それに対し、90度の三角の方は、どこまでも「内的」な葛藤、自分自身とは何かを徹底的に突き詰め、心を削り、研磨していく必要があることを示しているように私には思われてきました。

それはまさにヘリオセントリック的なもので、魂の研鑽のために人生の多くの部分を傾けなければならないということを示しています。

チャートに1つこのアスペクトがあっても、なかなかハードな葛藤の続く人生なのではないかと想像してしまうのですが、それを2つも持っているのです。

それだけ多くの悩みや苦しみを抱えて、それらと格闘することで、やがて悟りを開くように昇華させることを、魂の目的として生まれていらっしゃるように思われます。

 

また、地球と火星と木星で、グランドトラインと言われる調和に満ちた正三角形を形成しています。

本人がさほど意識しなくても、世界のほうがお膳立てをするように、うまく事を運んでいってくれるような側面があり、とても恵まれたアスペクトです。おおむね著しい幸運を示していると言って良いでしょう。

必死に努力する必要に迫られることも少なく、社会の中で揉まれたり叩かれたりする経験より前に、成功したり注目されたりして、気づいたら自分の願いが叶う環境にいた、などという感覚でしょうか。

自分の情熱や意志と、社会性とに調和が取れていて、思いのほとばしるままに走り続ければ、そのまま人々に受け入れられます。そしてそれが、自身のアイデンティティや、自己肯定感に直結していきやすいです。

幸運がうまく連鎖して、外側に波紋を描くように広がっていくので、他人から見れば苦労が少なく、恵まれた人というふうに映ることでしょう。

 

✰地球のサビアン
蟹座29度 『双子の体重を測るミューズ』

知性と直感、伝統と革新など、相反する視点を結びつけて、フュージョンさせることが得意です。好奇心がとても強く、新しいものに関心を持ち、全く違う要素と結びつけたりして、今までのものを数段洗練させることができます。

おおむねセンスが良く、アーティスト的な、独特のバランス感覚を持っています。

 

✰火星のサビアン
魚座24度 『人の住んでいる島』

自然界から多くの恵みを受ける傾向にあります。ナチュラルな生き方を志向し、肩肘張らず、のびのびとマイペースな生き方をする人です。自分自身に素直で、リラックスしてくつろげる状態を大切にします。

 

✰木星のサビアン
蠍座26度 『キャンプを作っているインディアンたち』

適応力が高く、どんな環境に置かれても適応し、何でもこなす器用さがあります。飾り気のない性格で、どこにでも誰にでも自然に馴染んでいくことができる人です。

臨機応変に、置かれた環境で生きるための知恵があり、目まぐるしく変わるような状況をむしろ楽しむことができます。

依存していた状態から自立していくという体験をすることが多くあります。

 

 

大変な幸運のアスペクトを持ち、外側から見れば恵まれたように見えても、前述のとおり、内部の葛藤は半端ないでしょう。

本人の辛さは、ごく身近な人以外にはあまり理解されないかもしれません。幸運であることが、逆に、根深い孤独を生む可能性があります。

 

海王星の強く理想を求める心に、火星の情熱がコントロールを失った状態で吹き込まれるので、理想と現実とのギャップに心が圧倒されたりだとか、自分の理想を上手くコミュニケーションに落とし込んで伝えられなかったりとか、もどかしいと感じる状況になりやすいと思います。自分の理想を何故分かってもらえないのだろうと苦しむことが多いかもしれません。

火星と海王星のアスペクトは私の見る限り、芸能人やミュージシャンに多いです。自らが理想の体現者となり、表現していくこと、自分の存在そのものが表現となることで、世間に強くアピールしていく力があります。

しかし宇多田さんの場合、安定しない暴走する車のようになりやすいので、その特性をよく知り、自身でコントロールを学んでいく必要があるかもしれません。

でも、強い理想像が牽引してくれるので、道から大きく逸れることはないでしょう。ただ、ご本人には、あちこちにぶつかって心が傷だらけになっているような感覚があるかもしれません。
それがまず、1つ目の水星、火星、海王星の三角形です。

 

✰水星のサビアン
獅子座14度 『表現の機会を待つ人間の魂』

込み上げる思いを表現したいという強い欲求を常に抱いている人です。自分に最も適し、最も有用な表現の機会をいつも狙っています。

とてもクリエイティブで、遊び心ある、スケールの大きな表現をする能力に恵まれます。行動力があり、自己アピールに長け、セルフプロデュース力が生まれながらにあるため、人気や名声を得ることが多いです。

水星は魂のままに生きはじめるきっかけ、地球にやってきた魂のはじめの方向性も表します。
まさに、持って生まれた才能を惜しみなく表現していくことが魂の喜びであり、その分野で前人未到の大成功をおさめることも含めて、ごく自然に、魂の計画してきたブループリントを生きる道にいざなわれたのだと想像できます。


✰海王星のサビアン
射手座27度 『彫刻家』

彫刻家は、素材の中から自分の理想像を掘り(彫り)当てる人です。形になって初めて、自分の理想が形になったものと対面し、初めてそれを目にすることになります。

人々を圧し、強い影響を刻み込むほどの表現力を持ち、考えを実現化させていく行動力があります。
自らの表現したものが人々のなかにどのような反応を巻き起こすか、それを知って初めて、鏡を見るように自らのことを知っていきます。

一方的に出力するだけでなく、周囲や世間からのレスポンスを得て、自分を外側から見ることが、さらなる大きなインスピレーションの源になっているのではないかと想像できます。

 

 

もう一つは、金星、地球、土星と冥王星の合(ぴったり重なること)の三角形です。

他者との間の愛についてももちろん、それ以上に自分自身への愛に対して、ベクトルが向いているような気がします。自らへの愛と赦しが、すべての鍵となってくるようです。

 

土星と冥王星が重なっているということは、それまでの枠組みや常識などがガラガラと音を立てて崩れるような、ドラスティックな改革、秩序の崩壊などを意味します。

外惑星は動きが穏やかなので、同時代に生まれた人はみな同じアスペクトを取ります。

しかしこれが地球と強いアスペクトを取るので、個人の人生、自分とは何かという問いかけなどに対し、衝撃的、突発的な方向転換を迫られるような場面に遭遇しがちだと思われます。

信じ頼っていたものを一夜にして失うような体験であるとか、具体的にはわかりませんが、大きな衝撃を伴う、人生観の転換などを示唆していると思います。

土星と冥王星は「家庭・身近なテリトリー」を示すエリアにあるため、ごく身近な場所でそのような体験が起こりやすいと言えます。

それは精神的なものだけにとどまらず、大きな事件のような目に見える形で、繰り返しやってくる傾向が強いでしょう。

そして感性、感受性などの方面で大きな衝撃となり、心を痛めるような体験になるかもしれませんし、何かが覚醒するような体験となるかもしれません。

どちらにせよ、自らのハートが一度死んで、まっさらに生まれ変わるような体験が、一度ならずやってくる可能性があります。

それによって、有無を言わせず、自分自身と向き合わなくてはならなくなるでしょう。ときにとてもつらいことでしょうが、それらの変化には、とてつもなく大きな可能性が隠されています。

まさに、下述の冥王星のサビアンの内容とも響き合っています。

 

✰冥王星のサビアン
天秤座28度 『明るくなってくる光の最中にいる男』

ある日突然、それまでの信念を無効化するような衝撃的な体験をしがちです。

人生観が一変するような、ものすごい衝撃を伴いながらも非常に大切な体験によって、脱皮するように成長します。それによって、一段上の明るい世界に到達するイメージです。

アップダウンの激しい人生になりやすいですが、やがてはそれに心から感謝する日が来るでしょう。


✰金星のサビアン
魚座13度 『博物館にある刀』

博物館という言葉に暗示されるように、伝統や集団の代表として特権的な力を与えられることが多いです。特別な地位や権力を担う環境に置かれ、プレッシャーに潰されそうになることもあるかもしれませんが、大きな充実感も感じるでしょう。

カリスマ的な資質を持つと言えます。集団全体の意志のために働く側面が強くあります。

 

✰土星のサビアン
天秤座29度 『互いの知識の範囲に橋を架ける方法を模索する人類』

個人的な視点を超え、グローバルな視点、マクロ的な視点を持つことのできる人です。

哲学的なものの捉え方をし、大きな文化と文化を融合していくとか、さまざまな知識を統合していくこと、普遍化していくこと等に関心を持ちます。

個人的な体験を、普遍的なものに転換していく、誰もに共有できる形に昇華させていくことが、人生の最終的な理想像として示されているように思えます。

 


天王星にはアスペクトが全くありません。天王星にアスペクトがない人の場合、友人関係において、かなり個性的な部分があります。

人との距離感が独特で、親しくしていたと思ったら急に冷たくなって関係をぶった切ってしまったり、自由奔放さが過ぎて、人を知らずしらず振り回していたりする傾向があります。べったりと接近することがどちらかといえば苦手で、近い人間関係ほど不器用かもしれません。

相手からも、態度が豹変するように思われたり、決して冷たい人ではないのに、温かみが足りないように感じられてしまったりする可能性もあります。誤解を呼びやすいと言えるのかもしれません。

とは言っても、友人関係自体が苦手なのではなく、どんな人とも別け隔てなく接することができ、意外な人脈を持っていたりします。交友関係は広く浅くになりやすい傾向です。

それと裏腹に、身近な人との特別感のある関係においては、苦手意識が働くことがあるかもしれません。

ある意味飽きやすく、新鮮味の感じられない関係を続けていくことに強い困難を感じるでしょう。自分に嘘をつけないので、相手にも器用な嘘、優しい嘘をつくことが苦手だったりするでしょう。

そのような強烈な個性を持つ自分自身に戸惑い、どう対処したらいいいかわからなくなったりするかもしれません。

金星と土星冥王星の厳しいアスペクトを増強しているようにも思えます。愛し愛されることに困難を抱え、そこから多くの学びを得ることを魂は計画してきたようです。

しかし、尖った個性は決して、欠点や直すべきポイントなのではなく、大切に育んでいくためのポイントなのです。そのことを本質的によく分かっているのだと感じます。

 

✰天王星のサビアン
射手座6度 『クリケットゲーム』

仲間との協調性があり、爽やかでさっぱりとした性格の持ち主です。裏表がなく、いつも直球勝負の、真っ直ぐな性質を持ちます。

クリケットの試合は、正々堂々とした真っ向勝負であり、互いに精神的な成長を目指すための戦いです。勝ち負けよりも、どれだけ成長できるかという点にフォーカスできる人です。

 


自身の個人的表現のために、あらゆるものをフュージョンさせて新たなものを生み出していくことから始まり、やがてはもっと大きな視点に立ち、文化を融合し進化させることとか、人類のために貢献することとか、壮大な使命のようなものを感じるのかもしれません。

使命というと大げさですが、我知らず導かれていく、気づいたらそのような視点のもとに行動しているという感覚に近いのではないかと思います。

 

自ら望んだわけではない特別な力を与えられ(といっても与えたのは自身の魂であり、自ら同意してくるわけですが)、それに見合う以上の葛藤や苦しみも与えられ……

もがき苦しむ中で自身の殻から抜け、より大きな世界に開けていき、第二の人生をはじめるような鮮やかな脱皮を経験する……そんな人生をあらかじめ準備して、生まれて来られたのかもしれません。