今回は、事務所を退所し新たな道へと踏み出した、山下智久さんのヘリオセントリックチャートを読んでみました。
まず目についたのは、パブリックな社会生活を示す領域に星が少なく一つだけであり、個人のプライベートな領域に残りのすべての星が集まっていることです。
十分すぎるほど社会で大活躍している山下さんですが、この星の偏りが示しているのは、個人的領域で一人の人としての人生と向き合い、自分自身を成長させることがより強い魂の目的として設定されているのだろう、ということです。
一番強く表れているのは水星と冥王星のアスペクトです。
大変優れた知的能力、実務的な能力があります。
天から操られているのかというほどの、ただものでない感を醸し出します。
とことんまで探求し深くまで達する知識を持とうとしますし、智謀、智略にも長けている傾向があります。言葉に影響力があり、知らず知らず周囲の人間をコントロールし従わせてしまうようなところがあります。
知性やコミュニケーション能力に、宇宙の力が注ぎ込まれています。その宇宙の深遠な力を使って、地上で為すべきことを与えられているのです。
◆水星のサビアンシンボル
蠍座3度「棟上げ式」
とても協調性のある人です。他者との結びつきに長け、皆で一つになり何かを作り上げていくことが得意です。周囲との調和を図るため、出過ぎず、受身すぎることもなく、人のまとまりの中でうまく能力を生かします。やや寂しがりで、人の輪の中にあり協力しあうことが好きな人です。
冥王星は後半に記します。
地球と金星がゆるく重なっています。
華やかな魅力があり、チャーミングな人格を持つことが多いです。
安定したしっかりとした自己愛を持っています。自身の感性を味わい、楽しむことにとても肯定的です。
感性イコール自分自身であり、何事も自分の感受性がどう感じ、どう受け取っているのかを第一に判断しがちです。時には自分に甘く、スポイルしてしまう傾向に流れやすいこともあるかもしれませんが、それさえも魅力に変えるような、明るく朗らかなエネルギーを放ちます。
◆金星のサビアン
天秤座23度「おんどり」
夜明けを高らかに知らせるおんどりの鳴き声のように、新しい動きの音頭をとる人です。いち早く流行を取り入れようとしたり、世間の動きにとても敏感です。人々の注目を集めることが好きで、世の中の最先端で流れに乗ることで能力を発揮します。
◆地球のサビアン
天秤座20度「ユダヤ人のラビ」
ラビとは宗教的な指導者のことを意味します。ユダヤ人はご存知の通りひどい迫害を受けてきました。
どれだけ反対されようが、自分の信念を曲げることなく貫き通す強さを持った人です。認められず、心が折れそうになっても、決して諦めることなく粘り抜きます。伝統を重んじ、性格的には古風な面もあります。
重なり合う地球と金星が、火星とやや緊張した繋がり方をしています。強い意志力や行動力がある人です。人生を冒険の場として捉えるような傾向があり、負けず嫌いな側面があるかもしれません。
ややアンバランスな闘争心を抱え、オーバーワークになったり、方向が定まらず、情熱が空回りしたりすることがあるかもしれません。どっしりと腰を据えて安定して進んでいけるようになるため、自身の成長のために、小さなチャレンジの場がたくさん立ち現れるでしょう。
また、水星と火星の組み合わせから、非常にキレの良い知性を持つことがわかります。打てば響くようなカンの良いコミュニケーションの能力があり、シャープな刃物のようなきらめきがあります。人との縁に恵まれ、その中で揉まれることで能力が育つ傾向があります。
◆火星のサビアン
双子座7度「時代遅れの井戸」
井戸を所有し井戸の水を与える側と、水を与えられる側との格差を示します。勝者として弱者と接し、分け与えてあげるというような、施すような姿勢を意味します。
これは思い上がった態度というような意味を表すのではなく、大衆との協力で、自分の持つものを役立てようとすることを示しています。万人の心に触れるような感性を持ち、それを大衆にバラまくことで活躍するといった傾向があります。
初めに述べたように、たった一つ社会性のエリアにあるのがこの火星です。
一つだけ離れ孤立した星は、その影響が強く出がちです。サビアンも大衆の上に立って働くことをよく示していますが、その現場で様々な苦労や挑戦があるという面が強く出ると思われます。
本人はそれと戦って消耗しますが、自分ではそのことに気付きにくく、頑張り過ぎてしまう側面があるかもしれません。その辺りのコントロールも学んでいくことになるでしょう。
重なった水星と冥王星が、木星と緊張の強い関係で結ばれています。基本的に学ぶことに熱心で、実用的な知識を順調に蓄積していくことができますが、あれこれ幅広く挑みすぎて、散漫な印象になってしまう可能性も。器用貧乏なところがあるかもしれません。
木星は社会性も示すので、社会や大衆に受け入れられやすい知的能力、伝達能力を育てていき、大きな成功をおさめるという部分もあります。その場面でも自分を省みては試行錯誤することになると思います。
冥王星の示す破壊と再生の影響で、社会生活の現場で大きな試練と言ってもいい場面が立ち現れる可能性があります。それを乗り越えれば、魂の大きな成長が約束されているでしょう。
◆木星のサビアン
水瓶座2度「予期していなかった雷雨」
理想の具現化に身を捧げる人ですが、求めていたものが具現化すると、それが丸ごと壊れて失ってしまうというような体験をしがちです。衝撃的な喪失の体験ではありますが、深い部分では、今までの城に安住することよりも、新たな挑戦の道を選び、そのために自分でその喪失のストーリーを創造しているのです。
◆冥王星のサビアン
蠍座4度「火の灯ったろうそくを運ぶ若者」
本当に信頼できる、限られた人だけに執着しがちです。関係が深くなるほど心が満たされ、閉鎖的な関係性の中で生まれる深い情によって癒されます。この深く閉鎖的な場とは、性的な関係も暗示します。
蠍座の冥王星にはディープでダイナミックな生と死のドラマが現れがちで、信頼した人に去られたり、関係が壊れたりするようなドラマが起こる可能性もあります。それによって激しく揺さぶられることで、魂は心を鍛え、強くなろうとします。
その鋭い緊張関係に協力しているのが、天王星と海王星です。
◆天王星のサビアン
射手座16度「船を見ているカモメ」
カモメは餌を求めて船の周りを巡廻しています。大きく安定したものに守られ、依存したいという気持ちがあります。自分の置かれた場に違和感があったとしても、安定には代え難いのでそこに甘んじようとする傾向があります。
また、高みを目指して上昇したものの現実離れしすぎてしまい、再び世俗的な現場に降りて行き、自らを適応させる努力が必要となります。
◆海王星のサビアン
山羊座2度「三つのステンドグラスの窓のうち、一つは爆撃で損傷している」
掲げた理想は打ち砕かれてしまい、誰もが認める実績に拘る傾向があります。夢や希望よりも、現実的な考えを優先せざるをえなくなります。自分の信じている精神的な価値観が崩れてゆく体験があり、そこから新たに、真の人生を模索していく積極性を手に入れることになります。
多くのメッセージに共通するのは、大きな挫折と呼んでもいいような体験と、方向転換の必要性です。また、大きなものに頼っていた状態からの離脱という点も読めるのではないでしょうか。
そこからの道は当然、茨の道となり得るのですが、魂は自ら望んでそこへ身を投じているのだということが、非常に良くわかります。
それは自らのアイデンティティの再構築でもあり、冒頭に示した星の偏り、社会に向き合うことよりも自分に向き合うことを通して、自分を成長させるという青写真を持つという部分にも響き合います。
時にはプライドを捨てて、現実に向き合い泥にまみれる必要があるのかもしれません。スマートには生きられないかもしれません。それでも結果的にそこから得られるものの豊かさを知ればこそ、魂はあえてそんな回り道を選んでいるのです。
金星と天王星が宿命的な度数で結ばれています。魂の声を聞き、魂のままに生き始めると花開く能力です。
小さくまとまらない感性を育て、誰にも負けない自分だけの武器として確立していく必要があり、それが宿命とも言えます。
自由な自分らしさ、個性を尖らせていく、枠からはみ出すような思い切った自己改革が必要となるのかもしれません。それは、自分に「革命」を起こすということです。
天王星の示す革命的エネルギーをより吸収して、突飛なくらいに際立った個性を磨き上げていくことで道が開けるだろうということを、星は語りかけています。
土星は、人生の最終目標地点を表す星です。自己革命を起こした後のビジョンと言えるかもしれません。
◆土星のサビアン
蠍座24度「一人の男の話を聞くために山から降りてきた群衆」
ムーブメントの中心になる人です。優れた集中力で、自分に与えられた能力を発揮できる現場を見つけたら、ひたすら邁進します。新しい分野を牽引し、人に強い影響を与え、多くの人が後に続くこととなります。