地球星座は「双子座」
太陽星座(一般的な星占いでのあなたの星座)が「射手座」の方は、ヘリオセントリックでの地球星座は、180度反対の「双子座」となります。
地球星座が双子座であることとは、何を意味しているのでしょうか。
理想に燃える翼
まずはじめに、太陽星座である「射手座」の性質を考えてみましょう。
太陽星座「射手座」は、理想に燃える情熱の星座です。
イカロスの神話を思い起こさせます。イカロスは熱い情熱を抱いて、蝋で固めた翼を羽ばたかせ、上へ上へと飛翔していくのですが、太陽に近づくにつれ蝋が溶け、翼を失って墜落してしまいます。
理想に現実が伴わないと、このような状態になります。これは一つの比喩として、実際に同じようなケースが、射手座さんの人生に起こり得るのです。
強い関心を抱いた一つの事柄にのめり込み、深く深く掘り下げていくのはすばらしいことです。
しかし、例えば、どんな立派な研究をするにもお金が必要で、その調達を避けては通れません。射手座さんはどちらかというと、研究さえ素晴らしければお金なんてあとからどうにでもなる、と楽天的で現実離れした考え方をしてしまう傾向があります。
理想が現実にオーバーラップし、都合の悪いことや面倒なことを覆い隠してしまい、視界に入りません。
また、物事を真正面から捉え、額面通りに受け取るような裏表の無さがあり、手練手管、裏工作などという言葉は辞書にありません。
その純粋さはとても魅力的ではありますが、きれいな側面しか目に入らない状態では、社会の中で出し抜かれたり、不利益を被る機会も多いと言えます。
現実的に、もう少し上手く立ち回ることを覚え、地に足をつけた人生を志向する必要があるのかもしれません。
地表を吹き渡る風のように
その限界を超えていくために、正反対の性質である、地球星座「双子座」の性質を思い出すことを、宇宙は教えてくれています。
それはもちろんあなたにもともと備わった性質なのですが、地球上の価値観に染まるうちに、見失ってしまったものと言えます。
地球というせまい檻に閉じ込められ、太陽を見上げる視線でしか世界を捉えられなかったからです。
本当のあなたは、太陽から地球を見下ろしているまなざしです。その方向性を、正反対の双子座のあり方が、示してくれているということです。
射手座が上へ上へと向かう星座なら、双子座は風のように、横に流れる星座です。
風はどんな場所にもまんべんなく吹き渡り、あらゆる情報を回収します。そこに優劣や序列はなく、特定の物への強い思いもありません。
ロボットがインターネット上の情報を満遍なく集めるように、取捨選択なく、あらゆる物を集めます。薄く広く、様々なものが集まってきます。
情報に意味を見出すという「哲学的」な観念より、日常的な、自分の役に立つかどうかというような、ある意味では薄っぺらい捉え方をします。
観念的で抽象的な考え方を好む射手座さんからすれば、俗っぽいと感じられるかもしれません。しかしその俗っぽさこそが、射手座さんに足りていないものだったと言えます。
通俗的なものは多くの人に理解されますし、身近にあるものです。
そこでやり取りされる多くの言葉は、射手座さんの好むような哲学的な部分は薄いと言えますが、生活の知恵や、人生をうまく立ち回るための小ずるさ、したたかさのような、ある種の知略に満ちています。
まるで天界にある理想郷を求めるような渇望を胸に生きてきた射手座さんですが、このドロドロとした地上の人間社会へのまなざしを忘れてしまっていれば、現実を生き抜く力を見失ってしまいます。
すべてを秘書任せにして、列車の切符一つ取れない上司のような在り方では、ひとりでは何も出来ないということになります。
些細なことだからと向かい合わずにいれば、現実からどんどん離れていってしまい、理想を下ろしてこようにも足場がない状態になります。
理想を求めるのは、この地上を理想的に変えるためだったのではないでしょうか。自らの人生を美しく変えるためだったのではないでしょうか。現実に足がついていなければ、どんな素晴らしい理想もつなぎとめておくことが出来ません。
抽象性とともに具体性を持たなければ、何も形にすることが出来ないということです。
また、あらゆる雑多なものに触れることで、今まで想像もしなかった角度から物を見ることが可能になり、今までは上を向くことしか出来なかったものが、上下左右、自在に視線を投げることができるようになり、結果として、全く斬新なものの見方をひらめいたり、行き詰まったものに突破力を与えることができるようになるかもしれません。
よりバラエティに富んだ、あらゆる可能性がそこに見つかるでしょう。
肩の力を抜いた気楽な雑談など、卑近な場所に好んで降りていくことで、あなたの器はより大きくなる可能性があります。
双子座は言語感覚の星座であり、射手座の観念や哲学に、マルチな言語表現の力が加われば、鬼に金棒と言えます。
言葉数は多くても、ありふれた、使い古された、形骸的な言葉を使い回すだけで、深みのなかった双子座的な表現に、射手座的な精神性をブレンドしていくことで、より高度な表現を目指すことが可能となります。
それらが、あなたが魂の全体像に還っていくために、かならず必要となるミッシングピースであり、今まで見えていなかった盲点となっていたのです。
その盲点もしっかりと視野に入れてあげたとき、私たちは魂の真の望みを生き始めます。